【第63回 気象予報士試験 一般知識】問14 気象庁の警報事項の通知・伝達をわかりやすく解説
第63回気象予報士試験 一般知識 問14の解説です。今回は、気象業務法に基づく予報・警報の通知や伝達について整理します。
法規問題では、内容そのものよりも、「義務」なのか「努力義務」なのかの違いが問われることが多いです。
法規についてはこちらの記事も参考にしてみてください!
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この問題で重要なのは、次の3点です。
- 「通知しなければならない」と「通知するよう努める」は違う
- 予報業務許可事業者には、利用者へ警報事項を迅速に伝達する努力義務がある
- 「地象」を地震動だけに限定してはいけない
特に(a)と(d)は、「しなければならない」と書かれている強い表現が引っかけです。
■ 問題文
気象業務法に基づき気象庁が行う予報および警報(ただし、特別警報を除く)とその通知や伝達について述べた次の文(a)〜(d)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①〜⑤の中から1つ選べ。
(a) 警報事項の通知を受けた都道府県は、直ちにその通知された事項を関係市町村長に通知しなければならない。
(b) 予報業務の許可を受けた者は、当該予報業務の目的及び範囲に係る気象庁の警報事項を当該予報業務の利用者に迅速に伝達するように努めなければならない。
(c) 気象庁は、気象、地象(地震にあっては地震動に限る)、津波、高潮及び波浪についての航空機及び船舶の利用に適合する予報及び警報をすることができる。
(d) 警報事項の通知を受けた国土交通省の機関は、直ちにその通知された事項を航行中の航空機に周知させなければならない。
| (a) | (b) | (c) | (d) | |
|---|---|---|---|---|
| ① | 正 | 正 | 正 | 正 |
| ② | 正 | 正 | 誤 | 誤 |
| ③ | 正 | 誤 | 正 | 正 |
| ④ | 誤 | 正 | 誤 | 誤 |
| ⑤ | 誤 | 誤 | 正 | 誤 |
■ 解答
④
■ 解き方の方針
この問題は、気象業務法の中でも警報事項の通知・伝達に関する問題です。
正誤判断で特に重要なのは、
- 義務規定なのか
- 努力義務なのか
- 用語の定義が正しいか
です。
法規では、「正しそうな文章」でも、語尾が少し強すぎるだけで誤りになることがあります。
■ (a) 都道府県から市町村長への通知
(a)は誤りです。
都道府県は、気象庁から警報事項の通知を受けた場合、関係市町村長に通知するよう努めることとされています。
問題文では、
直ちに通知しなければならない
とされています。
しかし、これは義務規定ではなく、努力義務です。
超重要つまずきポイント!
防災に関する内容なので、「直ちに通知しなければならない」と言われると正しそうに見えます。
しかし、気象業務法ではここは努力義務です。
法規問題では、内容だけでなく、
「しなければならない」か「努める」か
を必ず確認しましょう。
■ (b) 予報業務許可事業者の利用者への伝達
(b)は正しいです。
予報業務の許可を受けた者は、その予報業務の目的及び範囲に関係する気象庁の警報事項を、利用者に迅速に伝達するよう努めなければなりません。
つまり、ここも努力義務です。
問題文では「迅速に伝達するように努めなければならない」となっており、正しい内容です。
ここがポイント!
(a)は「しなければならない」と言い切っているため誤りでした。
一方、(b)は「努めなければならない」となっており、努力義務として正しい表現です。
似た文章でも、語尾の違いで正誤が変わります。
■ (c) 地象の定義
(c)は誤りです。
問題文では、
地象(地震にあっては地震動に限る)
とされています。
しかし、気象業務法における「地象」は、地震動だけに限定されません。
地震や火山現象などを含む広い概念です。
したがって、「地震にあっては地震動に限る」と限定している点が誤りです。
受験生がつまずきやすいポイント
「地震=揺れ」と考えると、地震動に限るという表現が正しそうに見えます。
しかし、法規上の用語は日常語と完全には一致しません。
地象は地震動だけではないと押さえましょう。
■ (d) 航行中の航空機への周知
(d)は誤りです。
警報事項の通知を受けた国土交通省の機関は、航行中の航空機に周知させるよう努めることとされています。
問題文では、
周知させなければならない
とされています。
しかし、ここも義務ではなく努力義務です。
ここも語尾に注意!
航空機の安全に関する内容なので、絶対義務のように感じやすいです。
しかし、問題文の「周知させなければならない」は強すぎます。
正しくは周知させるよう努めるです。
■ まとめ
- (a) 誤:都道府県は通知するよう努める。義務規定ではない
- (b) 正:予報業務許可事業者は利用者へ迅速に伝達するよう努める
- (c) 誤:地象は地震動だけに限定されない
- (d) 誤:国土交通省の機関は航空機へ周知させるよう努める
したがって、正しい組み合わせは④です。
この問題で必ず押さえたいこと
気象業務法の問題では、
- 義務:〜しなければならない
- 努力義務:〜するよう努める
の違いが頻出です。
特に警報事項の通知・伝達では、努力義務になっているものが多いので、語尾を丁寧に確認しましょう。
※ 本記事では、一般財団法人 気象業務支援センターより利用許諾を受けて、気象予報士試験問題を掲載しています。
問題文の著作権は一般財団法人 気象業務支援センターに帰属します。
以上、第63回 一般知識 問14の解説でした!
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